虚実転換の術

迷いは禁物

虚実転換とは、虚構と事実(うそと誠)を巧みに入れ替えて、戦いや物事を有利に進めるための策略や技。無いものを有るように見せたり、自信のない時でも堂々と振る舞ってみせる、など、人の心理の裏をついて、優位に立つ方法のことを表します。

物事は表裏一体、コインの裏と表のようなものです。相手がどんなに完璧、優秀、強そうに見えても、必ずその裏には弱点が潜んでいるもの。よく観察すれば「つけ入る隙」や「感情が動くポイント」などの、抜け道や落としどころを見つけることができます。そこで、忍者は実際には自信がなくても堂々と振る舞って自分の言動に信ぴょう性を持たせたり、時には知っているのに何も知らない馬鹿者のフリをして、相手からたくさん情報を引き出すなどの虚実転換術を使っていました。

昔は戦いに勝つための虚実転換術でしたが、今なら自分自身をも含めた「対人術」で大いに活かせるのではないでしょうか。

大事な交渉やプレゼン、試合や発表会の場などで緊張してしまうときは、①大きな声で話す、②胸を張る、③ゆったりと大きな動作を心掛ける、④視線を泳がせない、⑤深い呼吸を心掛ける、などの方法でその場をしのぐ虚実転換術が活用できます。

自分ではとてもできないと思っていることでも、上記の方法を使い堂々とした態度で行動すれば、思いがけず本当にできてしまったり、相手からはできているように見えることもあるのです。弱点やコンプレックスをよく自覚している人だと、弱点を前面に出して相手の共感を得たり、コンプレックスを魅力に変えてしまう、という強者もいますね。

 

虚実転換は相手をだますだけの術ではありません。人間の心と身体はつながっているので、恐怖や緊張で心がドキドキしている時でも、体の動きをうまく利用することで心も連動して徐々に安定する方向へ導くことができるのです。それに付随して、「笑うことで免疫力がアップする」ということも既に実証されているように、ある動作をすることで、心のみならず自分の脳を簡単にだますこともできますね。

自分の脳をだますといえば、ゴーグルを着けて仮想の映像を見ることで、その世界の中に自分がいるかのように錯覚するのも、もしかしたら古典的で最新の、「虚実転換」なのかもしれません。

あなたはどの虚実転換を試してみたいですか?